2015年度入試センター 地理B(本試験) 第5問解説

第5問 現代社会の諸問題

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問1

健康保険制度などに関する問題ですね。こういった内容は地理分野ではないからと油断してはいけませんよ? 同じ社会科なので現代社会や公民に関連付けられた問題も出てくるのが地理です。

まず、数字を見てみよう。そうすれば何かがわかるはずだ。USAとUAEデンマーク、フィリピンはそれぞれ全く異なった特徴を持っているのですぐにわかるはずだ。

数字を見るための前提として、わかっておきたいことがある。まず、デンマークだがここは「ゆりかごから墓場まで」といわれるほど福祉に手厚い。アメリカは世界のどこよりもトップを進むような先進国だが、福祉に関しては各々任せで、公的バックアップは少ない。フィリピンが途上国なのは言わずもがなだ。さて、残ったUAEはどうだろう?これはわからないかもしれない。しかし、それでも問題なく解ける。UAEに関しては、一見途上国だが石油鉱産資源の影響で急速に発展を遂げており、富豪が非常に多い。これだけはとりあえず押さえておこう。

(1)だが、肥満の割合が最も大きく、医療費に占める公的支出割合(以下:医療公費)が2番目に高い。しかし人口1000人当たりの病床数(以下:病床数)は4か国の中で最も少なくなっている。しかし、これだけの情報では何ともつかみにくいのが(1)だ。次に(2)は肥満率は2番目に多く、医療公費が2番目に少ない。しかし病床率は2番目に多い。これらの情報から、アメリカではないかと推測できるはずだ。先進国であるために病院も多く病床数が多い。しかし医療公費的バックアップが少ないため、ポイントも低くなっている。加えて肥満も多い。続いて(3)だが、数字上、何とも理想的な福祉国家だろう。肥満が少なく公的バックアップもされ、病床も多い。これはデンマーク以外にありえない。(4)は肥満は少ないが医療公費も少なく、病床数も非常に少ない。これも先進国のフィリピン以外にありえないはずだ。そう考えれば、UAEは(1)になる。UAEは最近先進的になったため、まだ完全な福祉体系も整っておらず、医療公費は多いものの、肥満割合も多いことがうなづけるはずだ。また病床数が少ないというのも一部発展途上なところからわかるだろう。

 

問2

これはそこそこよくある問題じゃないでしょうか? こういった形で見たのは初めてですが・・・。一つの場所を絞るのは簡単なんですが、残り二つを絞るのがどうにも難しくやや難問ですね。

この問題を解くカギは、アフリカの国々においてどのあたりが先進的でどのあたりが途上的なのかをはっきりと区別することだろう。この問題において扱われるのは北部・中部・南部アメリカだ。まず赤道直下の中部アメリカには途上国が非常に多い。B気候地域では内陸部に位置していることも相まっている。次に北部アフリカだが、この地一帯は地中海に面しており、先進的国家が多い(エジプトなど)。南部アフリカは、アパルトヘイトのあった南アメリカ共和国を含んでいる地域だ。

これらを前提として見てみると、アは明らかに途上国のグラフであることがわかる。異様なまでに出生率と死亡率が高い。残ったイとウだが、これは歴史的観点から物を述べる必要が出てくる。イに関しては、先進的になりつつあるため出生率と死亡率が下がったと考えられる。ウに関しても同様なのだが、なぜか1990年代に死亡率が増えた。これは南部アメリカにおいて、HIVがこの時期に蔓延したからなのだが、それを知らなければ解くことが難しい。しかし、まぁイのほうがどう考えても先進的なので北部、ウは何かが一部で起こっているのでそこそこの発展で南部と考えてしまうのが得策かもしれない。

 

問3

この問題、確率的に1/3が適当でないことを述べているせいで、全部適当じゃなく見えてきて嫌いなんですよね← そんなこと言ってられませんが・・・ しかし解き方は1/4の時と一緒、ちゃんと読んで間違っているのを探せばいいんです。

今回も例によって適当でないものを述べるが、(2)と(4)がおかしいことは一目瞭然かもしれない。(2)に関してはシンガポールにおいて経済的衰退は起こっていない。さまざまなインフラが整い、環境も整備されているのにどこの企業が出ていこうというのか。しかもマレーシアに?言語道断だ。(4)においてはインナーシティ問題は今のところ発生していない。それどころか世界一の金融街として目覚ましい発展を遂げている。しいていうなればウォーターフロントともいうべきか。

 

問4

これはやや難問な気がしますね・・・ その地の環境問題がわかっていなければ解けません。そういった点では良問っちゃ良問ですが、結構難しいと思いますよ。

土壌劣化の原因別面積割合を見てもなんのこっちゃわからない可能性が高い。そこまで差が開いていないのであまり見分けがつかないのだ。しかし、その中でも各地で飛びぬけて多いものがそれぞれ1つずつ存在する。それを頼りに解くしかないのだ。

まずカだが、過放牧が原因で土壌烈火した土地はアフリカだ。サヘルが進行した原因が人口爆発に伴った過放牧なのだ。また草が育ってもすぐに食べられてしまう点などが原因とされるだろう。悪循環が重なってこうなってしまった。次にキだが、森林破壊が原因で土壌烈火したのは南アメリカだろう。森林伐採を伴う用地開発や牧場設置、火入れなどが原因と考えられる。最後にクだが、農業が原因なのは言わずもがな中・北アメリカだろう。

 

問5

この第問の中にグラフ問題多いですね(汗) グラフ問題は判読に時間がかかるのでなかなか手ごわいですが、頑張ってやるしかないですね。

各国における二酸化硫黄排出量だが、難しいことは考えず、中・米・豪・英のどこが最も大気汚染しているかで考えれば容易い。まず(1)だが、近年急激に発生させている。最近急激に成長した可能性が極めて高い。そう考えると自然と中国であると自然とわかるだろう。次に(2)だが、1970年ごろにピークを迎え、その後環境問題が提起、そして徐々に下がっていき今ではそれほど(と言っても多いが)排出していない国家と考えるとアメリカが有力視される。世界最大の工業先進国のアメリカなので最も排出量が多かったのだが、時代とともに高度化が進み、最近では徐々に減少傾向にある。(3)はオーストラリアだ。これは人口規模が小さくそもそも工業的ではなく農業的なので大気汚染物質の発生は少ないはずだと睨めるからだ。最後に(4)だが、イギリスである。産業革命以後、世界の工場とまで呼ばれ発展してきたイギリスだが、環境問題が話題となるのも早く、1950年にはすでに環境問題を考え始めている。そのため早くから大気汚染物質が少なくなっているのだ。

日本のグラフも載っているので一応触れておこう。高度経済成長期の頃、最もグラフが高くなっている。またこのころ朝鮮戦争の軍需もあり、このころが最も排出量が多かった。しかし先進国の仲間入りを果たすと環境問題に率先して対応し、京都議定書なども作ったような国である。そりゃ少なくなるはずだ。

 

総評

この第問は全体を通して結構難問ですね。取れるところをしっかりとって、難しいところもしっかり考えてやっていけば、ある程度はいけるんじゃないでしょうか。

 

 

上記スライドの23~26ページが第5問です

 

 

※あくまでも個人的見解において述べております。万が一解説に不備がございましても一切の責任は負いかねますので、予めご了承ください。